お迎えの準備
サザナミインコは、インコ・オウムの中では比較的鳴き声も小さく、たいへんおとなしい性格で現代の住環境やお一人で暮らしている方やお子さんが居る家庭でも、比較的簡単に飼育することができます。
しかし、簡単と言ってもデリケートな面もあり、特に若いサザナミインコを飼うときは注意が必要です。
以下に、お迎えに当たっての準備についてご紹介致します。
【ケージ】
ケージは、市販の金属ケージを用意しましょう。
大きさは、設置場所や飼育する数により異なりますが、一般的にはゆとりがある400×400×500mm以上がお勧めです。
インテリア性を重視したもので複雑な形状をしたものもございますが、なるべく実用性を重視して、お選び頂くことをお勧めします。
特に掃除は毎日行なうので、掃除をし易いものが特にお勧めです。
餌入れや水入れ、止まり木はケージ付属している物が大半です。
その他にサザナミインコが飽きない様に鳥用のおもちゃを入れて下さい。
(おもちゃは、誤飲する様なものや怪我をする様なものは控えてください。)
出来れば、止まり木も自然木の物を追加すると良いでしょう。
水入れはタンク式がお勧めです。
ケージの置き場所も考えておきましょう。
直射日光を控え、レース越しの日差しが1時間程度当たる場所が良いでしょう。
出窓などの温度変化が多い場所は避けましょう。
【キャリー】
サザナミインコのお迎えや通院、旅行などの為に準備しておくと便利です。
小型で、持ち運びがし易いもので、止まり木を2本くらい付けられると良いでしょう。
餌入れや水入れもあると長時間でも安心です。
【挿し餌】
一人餌になっていない雛でお迎えの場合は、パウダーフード(ハンドフィーディング フォミュラー ベビーバードなど)とシリンジを用意しましょう。
パウダーフードは40℃〜50℃のお湯に溶かして、シリンジに入れて与えます。
雛の口元にシリンジ先端のチューブを持っていくと口を開けますので少しづつ出してやると良く食べます。
【エサ】
サザナミインコの餌は、シード(種餌)かペレットになります。
シードは、粟・キビ・ヒエ・カナリヤシード・エゴマ・ソバの実・ムキオート麦・燕麦・麻の実・サフラン等にボレー粉を加えた配合飼料が良いでしょう。
塩土も別容器で与えてください。
ペレットは、鳥が健康に生きていく為に必要な栄養素を全て含んでいる総合栄養食のことです。
従来の種餌(シード)では、ビタミン・ミネラル・必須アミノ酸などが不足する場合がありますが、ペレットは、副食(野菜・ボレー粉・塩土など)や栄養補助剤(ビタミン剤等)に頼らず、健康維持が容易です。
ペレットはたくさんの種類がありますので、一番入手し易いものを選ぶと良いでしょう。
ブリーダーさんやペットショップで与えている銘柄を確認するのも良いでしょう。
ペレットの場合は、特に水を多く飲みますので、水切れに注意が必要です。
シード(種餌)とペレットを両方与えても構いません。その他、粟穂・野菜・フルーツ等を副食として与えてください。
産卵をお考えの方は、エッグフードなどの栄養食を、与えることをお勧めします。
また、サザナミインコは他の鳥に比べて、糞が柔らかい(水分が多い)傾向にあります。
【放鳥】
いくら手乗りで慣れているサザナミインコでも、環境が変わると暫くは怖がってしまい、食事が安定しない事がほとんどです。
まず、環境に馴れてしっかり食事をするまでは、放鳥(ケージの外に出す事)を控えて、環境に慣らすことを第一にして下さい。目安は3日程です。
その間は、特に注意して餌や水を飲んでいるかを観察して下さい。
異常が見られる場合は、早めに最寄の信頼できる獣医師にご相談下さい。
尚、放鳥はサザナミインコを危険にさらす場合がありますので、放鳥時は目を離さず注意して下さい。
【鳥の病院】
サザナミインコをお迎えしたら、最寄の獣医を調べておく事をお勧めします。
犬・猫の獣医は多いですが、鳥を診てくれる獣医は比較的少ないので、いざと言う時の為に事前に調べておく事をお勧めします。
サザナミインコは、比較的新しい品種ですので鳥に詳しい獣医を探すことをお勧めいたします。
【水浴び】
サザナミインコは、たいてい水浴びが大好きです。
市販の霧吹きでスプレーしてやったり、ケージの中に水を入れた容器を入れて下さい。
サザナミインコは季節に関係なく、水浴びをします。
冬だからと言って、決してお湯やぬるま湯は使わないで下さい。
鳥にとって、お湯やぬるま湯は羽や体の油分を取ってしまいますので、健康を害します。
【保温について】
サザナミインコは、寒さに比較的強い方ですが、体調を崩した時は保温が必要です。
特に羽を膨らませて、動きが鈍い時などや餌をあまり食べていないなどの異変がある場合は、速やかに保温をお勧めします。
保温はペットヒーターを事前に準備しておくことをお勧めします。
体調が悪い場合は、30度を目安に保温してください。
また、この時は必ず水をすぐに飲める様にして下さい、水切れは生死に係わります。
体調が悪くなければ、通常、10度以上の温度を保っていれば、問題はありません。
冬場は、なるべく暖かい部屋に置いて下さい。
【ケージの掃除】
ケージの掃除は、毎日、行ないましょう。
特に、夏場は腐敗やカビの発生が早いので注意して下さい。
また、月に一回は大掃除をして下さい。
普段見えない隙間等に糞や食べ物が入り込み、腐敗やカビが発生している場合があります。
清掃時は洗剤はなるべく使用しないで下さい。
使用する場合は、完全に水ですすぎ、乾燥させて下さい。
アルコールでの除菌もお勧めです。この場合も洗浄後に良く乾燥させて下さい。
【爪切り・羽切り】
サザナミインコは、人間と同じ様に爪が伸びます。
爪が長くなるとケージに爪が引っ掛かり、骨折や爪落ちが発生する場合があります。
市販の人用の爪切りや動物用爪きり(小動物用)で手入れをして下さい。
爪切り時に、出血した場合は止血剤や線香などで、必ず止血して下さい。
羽切り(クリッピング)は、手乗りで放鳥する際は、お勧めです。
デメリットもありますが、メリットの方が多いと思います。
重要なのは、どの程度の羽を切るかと言うことです。短めに少しづつ切って様子を見て下さい。
危険回避の意味でも、近距離(5m以内)は飛べる方が良いでしょう。
【くちばし】
サザナミインコは、くちばしが伸びる仔がおります。
くちばしが伸びても、餌が食べられなくはなりません。
くちばしが伸びても、いずれは先が細くなり普通のサイズに戻る事が殆どです。
無理に削るなどのことは絶対にしないで下さい。
【基本的な躾】
サザナミインコは、たいへん賢い鳥です。
しかし、中には人間と同じ様に反抗期がある場合もあります。
また、嫌な事をされた場合などトラウマとなり、特定の人に馴れない等のケースもあります。
なるべく、毎日、声を掛ける様にしてコミュニケーションを取る様にして下さい。
特に、一人餌になった後は、甘噛みの時期に入りますので、人の指や物を噛みたくなります。
この時に、人が大声をあげたり、怒ったりすると逆効果です。
サザナミインコは、さほど強くは噛みませんが、噛まれた場合は指を前に出す(サザナミインコの顔の方へ)と止めますので、これを繰り返してください。
【複数飼い】
サザナミインコはとても友好的で雄でも雌でも仲良くします。
しかし、初めはどうしても威嚇する場合がありますので、喧嘩をする様でしたら、まず、別々のケージで隣り合わせて設置して、2〜7日くらい様子を見ます。
その後、一つのケージに同居させます。
初めは小さいケージで、慣れてから大きなケージに移すことをお勧めします。